不貞行為とは

浮気の概念

あなたの浮気に対する概念はどこからですか？
一緒に食事をしたら？キスをしたから？肉体関係があったから？精神的な依存を相手にしていたから？人により様々なジャッジがあると思います。では、法律的にどの様な事をしたら不貞行為になるのでしょうか。

浮気での慰謝料

配偶者が浮気をしていた場合の離婚時に発生する慰謝料は、精神的苦痛を受けたあなたが浮気をした配偶者に対して求める損害賠償金と、配偶者としての地位を失うことに対する精神的苦痛に対する損害賠償金になります。夫婦関係が既に破綻している状態のまま、配偶者以外の方と肉体関係をもったとしても不貞行為にならない可能性があります。

浮気調査の証拠とは

浮気調査の証拠とは一体どの様なものでしょうか。食事や買い物をしている様子だけでなく、ホテルや相手の自宅など肉体関係を状況的に証明出来る証拠を複数回収集します。ここでいうホテル等に関しては室内の映像ではなく、ホテルの出入りを撮影したもの。証拠として滞在時間を証明できることが求められます。

仮にホテルに入ったとしても、数分後すぐに出てくれば不貞行為は立証できないのです。また、回数も3回以上撮っておくことが望ましいといえます。なぜなら、過去の判例にホテルの出入りが1度だけの映像が証拠にならなかったことがあるからです。

相手側の言い分として「魔がさした」「彼女に誘われたから」「1度きりだったから」「一緒に歩いていたら急に体調が悪くなったので休ませた」など様々な言い訳が飛び出してきます。よって複数回の証拠を用意し、継続性を示すのです。

継続性があることを証拠で示すべき

では、1回の証拠と3回の証拠の違いは何でしょうか。
それは「証拠が決定的かどうか」という点につきます。裏をかえせば1回、2回ではまだ言い訳の余地が残っているといえるでしょう。取った証拠の有効期限は実際に証拠価値として約1年位ではないでしょうか。当然2年経っても証拠は証拠ですが、効力としては薄らぎ始めてしまいます。もし、すぐに離婚調停などで使用しないのであれば1年後に調査を行い、再度証拠を掴んでみるのも良いと思われます。

証拠になるもの、なりにくいもの

ホテルの領収書なども証拠になりますが、ただそれのみでは誰と泊まった等の情報が判らないため、言い訳されることが考えられます。また、携帯電話やパソコンのメールも参考程度にはなりますが、パソコンなど他の機材に転送したものでは参考資料にもならないことがありますので、携帯電話に映っている画面をカメラなどで撮影することが望ましいといえます。

上記のみでは浮気に関しては第三者から見て「明らか」とはいえず、裁判資料としても参考資料と考えたら良いといえます。ホテルの出入りなどを示すものがあって初めて活きてくる証拠になるといえます。

風俗は不貞になるか？

基本的には不貞行為と見なされますが、特定の人物との浮気ではないという点、その風俗店が行っているサービス（本番行為があるかどうか）、証拠の回数、悪質性など様々な要素によってジャッジが変わってきます。

争点として夫婦関係が破綻したあとでは無かったか、破綻した原因を作ったのが夫の風俗通いであったのかなど複雑な部分が出てきます。一般論として「風俗に1度、2度は行くこともある。その程度だったら許してあげたらどうですか」という考え方もありますので悪質性を証明する必要があるといえます。

以前行った調査では、仕事場に向かう奥様を駅まで車で送った後、ご主人は午後から風俗店に行きました。1週間後の調査では、通常どおりスーツで出勤と思いきや、なんと朝の9時から風俗店に……。

調査としてはご主人の様子を確認するものだったのでここまででしたが、不貞行為としては悪質といえるのではないでしょうか。根拠としては本番行為を行う店であろうという点、朝からスーツを着て何気なく入っているということは継続的に通っている可能性が考えられるという点（どの様なシュチュエーションで店に入ったかどうかという点も考慮するべきといえます）。酔っ払って呼び込みに引っ張られてお店に入ったのと、本人の意思で朝から入ったのでは同じ入ったという事実でも見方によって印象が変わってきます。また、この様なケースでは夫婦生活を相手が受け入れてくれないといった主張も出てくると予想されます。

過去の判例としては「離婚原因をつくったのが、妻との性交渉を拒否し、ポルノビデオを見ながら自慰行為に耽る」という理由で120万円の支払いを下した裁判もありました（平成5年3月18日　名古屋高裁）。風俗も不貞行為にはなりますが、証明できた回数や悪質性を訴える必要性があります。